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【発熱、せきなどの症状がある方へ】
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、お読みください。
発熱、せきなど風邪のような症状がみられた場合、体温を測って下さい。
受診されたい場合や受診すべきか判断できない場合には、必ず来院前にお電話にてお問い合わせ下さい。
携帯電話やインターネットにて、当日のみの順番取りと待ち状況が確認できます。
当クリニックではまず、初来院の方に簡単な問診表をご記入いただきます。問診表(PDF)を事前に記入してお持ちいただくと、診察までの時間を短縮できます。
問診表はこちら上のQRコードを読み込んでいただくと、携帯サイトがご覧いただけます。
内臓脂肪が蓄積して血圧が高め、血糖値も高め、脂質も高め、この様な状態は1980年代からなにかと話題に上り、“シンドロームX”“死の四重奏”“インスリン抵抗性症候群”などと呼ばれ、人を短命にさせる状態であると認識されていました。2005年4月、“メタボリックシンドローム”と呼称が統一され、その日本版診断基準が提唱されました。
すなわち、必須条件として腹腔内脂肪の蓄積(ウエスト周囲径:男性85cm以上、女性90cm以上)に加え、
上記いずれか2項目以上でその条件を満たすというものです。
この状態だとメタボリックシンドロームのない人と比べ、5年間の追跡で実に2~3倍の確率で心筋梗塞、脳梗塞などの血管病に罹患してしまうのです。この診断基準で最も重要なのは血糖や血圧、脂質それぞれはそれほど高値でなくても、それぞれが重なることにより足し算ではなく掛け算になってしまうということだと思われます。
日本人の食生活は様変わりし、団塊の世代ジュニアは脂肪の摂取量でとうとう米国を抜いてしまったそうです。町を歩いても肥満の人を簡単に見つけられるようになってしまいました。メタボリックシンドロームはアルファベット表記で、なにか少し遠い存在のような印象がありますが、決して欧米の問題ばかりではなく、我々の身近にある問題なのです。
24時間血圧計の登場で、診察室の血圧だけでなく、自宅での血圧が重要視されるようになりました。診察室血圧だけでは、白衣高血圧や仮面高血圧を見逃す可能性があるからです。
また、血圧には日内変動があり、dipper type、 non-dipper type、 extreme dipper typeなど新しく様々な分類がなされつつあります。
高血圧はご存知のように、動脈硬化を進展させ心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、脳出血など血管を破綻させるインパクトが最も高い疾患ですが、症状がなく軽く考えられる傾向があります。しかし症状が出てしまったら全くの手遅れで、後遺症を残したり突然死することも珍しくありません。
まずは自宅の血圧を測り135/85よりも高値なら高血圧の存在を疑ってみる必要があります。
高脂血症の方がおなじみかもしれませんが、HDL-コレステロールが“低い”状態も動脈を傷めることが判明し、呼称の変更に至りました。HDL-Cは善玉コレステロールで悪玉コレステロールを肝臓に運んで代謝してくれる優れモノです。脂質異常症の管理は、食事の正常化抜きには語れませんが、口から入るコレステロールは全体の3割に過ぎず、7割は肝臓で勝手に作られてしまう体質が大きく関係した病気です。
薬物療法はもっぱらスタチン系薬剤が使用され、この薬は悪玉を減らし、善玉を増やす効果が認められ大規模臨床試験でも明らかな死亡率の低下が見られています。なにを隠そう私自身もこの薬を飲んでいます。
インスリン依存性とインスリン非依存性に大別されますが、インスリン抵抗性が増大するとインスリン非依存症として発症しても、インスリンが枯渇してしまうインスリン依存性に移行する場合があり、必ずどちらかに分類されるというわけではありません。また無症状の糖尿病は珍しくなく、知らないうちに眼底出血や腎臓の障害、痺れなどを合併し、心筋梗塞、脳梗塞へ至った後、ようやく糖尿病の存在に気づく場合も少なくありません。
しかし日本で生活していれば、糖尿病の入り口の状態などが健康診断で指摘されることもあり、いきなり深い糖尿病状態が見つかることは稀な状況になっています。ごく早期の食事や薬物療法による介入がその後の生活の運命を左右します。
気管支喘息は、気道の慢性炎症に基づく気道過敏性の亢進と、発作性で可逆性の咳、喘鳴、呼吸困難を特徴とする疾患です。
急に息ができなくなり、気道が収縮して気管や気管支が詰まり、呼吸の度にのどがゼーゼー、ヒューヒューと鳴るようになります。こうした喘息発作は自然にあるいは薬の吸入などで治まり、症状がない時はふつうに生活できます。
原因は完全に解明されておりませんが、体質的に喘息の起きやすい人がいて、そこになんらかの条件が加わると発症するとされています。
その条件とは、ウイルスや細菌の感染、自律神経の失調やストレスなどで、これらが引き金となって発作を起こすといわれています。発作の原因としては主なものはアレルゲンで、アレルゲンには非常に多くの種類があります。
その他の原因として、季節の変わり目、気温の変化などによって喘息発作が誘発されます。食べ過ぎや過労、激しい運動、女性では月経や妊娠なども喘息の誘因となります。
広辞苑によると、動悸とは心臓の鼓動が平常よりも激しいことを指すとある。医学用語上は心臓の鼓動を不快感を伴って自覚することであり、その最も多い原因は頻脈性不整脈であるが、精神的な動揺や運動などに伴う頻脈(洞性頻脈)と頻脈性不整脈は自覚的には区別することはできない。 動悸のタイミングが安静時か労作時か、発症が急激か緩慢かなどが区別の参考になるが決め手は頻脈時の心電図である。また脈が遅くなる除脈でも動悸を自覚する場合がありえる。
動悸の原因疾患としては上室性期外収縮、心室性期外収縮、心房頻拍、心房細動、心房粗動、心室頻拍、洞不全症候群、房室ブロックなどがあり、心臓外のホルモン過分泌が原因になる場合もある。
胸痛をきたす疾患は、心臓由来(心筋梗塞、狭心症、心膜炎など)肺由来(気胸、肺炎、肺梗塞など)消化器系由来(消化性潰瘍、逆流性食道炎など)肋間神経由来、肋骨由来、肋間筋由来と多種多様な疾患が考慮される。 このうち緊急の対応が求められるものは、心臓と肺由来の疾患である。胸痛、胸の痛みを感じたら、死に繋がる病気が隠れている可能性があるので、迷わず緊急で医療機関を受診しましょう。
ジェネリック医薬品との付き合い方
ジェネリック医薬品は別名を後発医薬品と言い、これに対し先発医薬品がある。先発医薬品は開発費、物質特許、製法特許、製造特許などが薬価に反映されるため高価になるが、20年でその特許が切れるため、別のメーカーが安価に後発薬を製造する事ができるようになる。 そもそも日本は国民皆保険であることが影響してか、諸外国に比べ先発医薬品の薬価が高く設定されていて、経済産業省もこれを国際的に適正な価格まで引き下げると一兆五千億円削減可能としている。加えて、現在のGDPを越える医療費の伸びは、今後の少子高齢化を考慮すると医療そのものを破壊してしまう勢いである。そこで厚生労働省はなりふりかまわず(これまでの放漫経営のつけもあって)後発医薬品の導入を進めていて、そのこと自体の重要性を理解しない医療者は少数派である。 しかし、「ジェネリック医薬品は、特許が切れた薬で、先発医薬品と同様の効果、効能であり、副作用の頻度も同様である。」というコマーシャルに一部嘘、まやかしがあるため状況を複雑にしてしまっているのだと思う。一般の患者様はこの台詞を信じて医療機関を訪ねる場合が多いと思われるが、有効成分の特許が切れても、溶けやすさ安定性を保つ添加物の製法特許、製剤のコーティングなどの製造特許が残る場合はいくらでもあり、これを使用できないため薬の効果に差が出たり、先発薬には認められなかった副作用がある例も珍しくはない。 実際、後発薬を使用して思わぬ副作用と思われる症状が出てしまったとき後発メーカーに問い合わせても”なしのつぶて”になってしまう場合が多い。細かい情報を公開して後発医薬品の曖昧な部分を払拭すれば、医療従事者はもっとこの医療を救う薬剤を使用しやすくなるだろう。 (2010.6.11)